非連続

子供であるが、ようやく床から一人で立ち上がるようになった。ある日、保育園に迎えに行くと、「もうすぐ立ちそうになってましたよ」と言われ、その夜、両手を床についておしりを持ち上げて、確かにほぼ立ち上がりそうであった。2、3日経つと一瞬両手を床から離すようになり、さらに2, 3日経つと直立して3秒ほどバランスを取っていた。満面の笑みであった。大事に動画に撮っておいた。

親のほうはこの期間、本格的に大変な仕事をごりごりやっていた。育休が明けて以降、休み休み給料に見合っているかわからない仕事をしていて、保育園に送ってから仕事開始、17時には終了、寝かしつけた後に残務処理できればいいが、あまり期待しないでください、たぶん無理です、寝ます。というスタンスであったし、子供が熱を出せば休むしかなく、理解のある職場なので締め切りの厳しい仕事はバックアップをつけてくれているし、そもそもプレッシャーのかかる大事な仕事は受けないようにしていた。それが自分からかなりハードル高めで締め切りが厳しめの仕事をやると言って、やり始めてしまった。まあ締め切りがあるので、当初やるつもりだったことの半分くらいはできずに終わったが、大変チャレンジングであった。そのかたわら、子供も新しいことにチャレンジすることにしたらしかった。立ち上がろうとしてしりもちをつくのを何度も繰り返して、何度かは頭から床に激突していた。振り返れば1週間程度のあっという間であった。もう自分で立ち上がって自分で拍手している。あなたの起こした非連続な変化をわすれないよ。

この急激な変化は胸を打つ。親としては毎日しっかりご飯食べてウンチしてくれるだけで安心、ぐらいの気持ちでいるが、実際は毎日確実にできることが増えている。 以前は乗り物の絵の描いてあるカードを渡しても口に入れてべとべとにするだけだったが、いまはどれがトラックでどれが消防車かわかっているらしい(消防車は「じょじょーう」という)。 早朝から「クック!」といって靴を履き、散歩に行って、両手を引いてもらって驚くほどの距離を歩く。 道路わきの金網(グレーチング)の上を歩くのが楽しく、よそのお宅のガレージやマンションのエントランスに侵入する。 小走りで進むこともあるし、昨日今日は片手をつないで歩くのが急に安定してきた。 やりたいことが思い通りにできず不機嫌になることが増えた。 おもちゃのチャチャチャの歌をでたらめだが歌っている。